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すべての町並みは1枚の「扉(DOOR)」から


「町並み」とは、魅力的な家々の並ぶ集落のことである。
しかし、小綺麗だが、息遣いの感じられない静物画の様な町並みが単にそこにあるだけでは、
魅力は感じられない。
「町並み」とは、そこに生活する人々の息づかいが感じられる「暮らしの舞台」であり、

人々が往来し、出入りしてこそ、初めて「命」が吹き込まれる。

「はじめに町並みありき」と考えるのは錯覚である。

すべての始まりは、「一軒の家」「一軒の店」であり、そこに出入りする人々が、

その家や店を愛しみ(いつくしみ)ながら、生活を楽しんでいる様子である。

その楽しげな生活の様子を、往来を行き来する人々が、その家や店の「扉」を通して感じることから、

魅力的な町並みが誕生する。すべては、一軒の家、一軒の店、一枚の扉から始まる。
そして、一枚の扉にこそ、そこに生活する人々の息づかいというか、生活哲学というか、

感性(センス)の良し悪しというものが、隠しようもなく露見してしまう。

「扉」こそ、おろそかにはできない「暮らしの顔」なのである。

(2005.10.17/文:福田和美)